【建設業マネジメント解説シリーズ】第8回
建設業許可を受けるためには、建設業法第8条に規定する「欠格要件」に該当しないことが必要です。そして、それを証明する法定書類が必要となります。今回は、どのような場合が欠格要件に該当するのか、どのような法定書類が必要となるのかを解説します。

欠格要件とは(建設業法第8条)
(建設業法第8条)
国土交通大臣又は都道府県知事は、許可を受けようとする者が次の各号のいずれか(許可の更新を受けようとする者にあつては、第1号又は第7号から第14号までのいずれか)に該当するとき、又は許可申請書若しくはその添付書類中に重要な事項について虚偽の記載があり、若しくは重要な事実の記載が欠けているときは、許可をしてはならない。
1 破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者
:
10 心身の故障により建設業を適正に営むことができない者として国土交通省令で定めるもの
:
(建設業法施行規則第8条の2)
法第8条第10号の国土交通省令で定める者は、精神の機能の障害により建設業を適正に営むに当たつて必要な認知、判断及び意思疎通を適切に行うことができない者とする。
建設業法第8条では、第1号から第14号のいずれかに該当する場合は許可をしないと定めているほか、許可申請書又はその添付書類中に重要な事項について虚偽の記載がある又は重要な事実の記載が欠けている場合は許可しないとされています。
第1号から第14号のなかで主な事項は次のとおりです。
- 成年被後見人、被保佐人又は破産者で復権を得ていない者。
- 不正な手段で建設業許可を取得したり、営業停止処分中に営業を行ったりしたことにより、建設業許可を取り消され、その処分から5年を経過しない者。
- 建設業法や、独占禁止法、暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律などに違反し、罰金以上の刑に処せられ、刑の執行が終わってから5年を経過しない者。
- 暴力団員、または暴力団員でなくなった日から5年を経過しない者。
- 暴力団員等が事業活動を支配している者。
なお、これらの要件は、許可申請時だけでなく許可取得後も該当しない状態を維持する必要があります。
欠格要件に該当しないことを証明する法定書類
欠格要件に該当しないことを証明するには、次の法定書類を添付する必要があります。
- 誓約書…(様式第6号)許可申請者(法人の役員、個人の事業主、支配人)等が欠格要件に該当しないことについて誓約するもの。

- 登記されていないことの証明書…後見登記等ファイルに記録されていないことを証明するもので、主に成年被後見人・被保佐人等に該当しないことを証明する際に必要になります。
※法務局にて発行しています。 - 身分証明書…禁治産・準禁治産宣告の通知、後見登記の通知、破産宣告・破産手続開始決定の通知を受けていないことを証明したものになります。
※本籍地の市町村役場戸籍係等にて発行しています。
なお、暴力団員でないことを証明する公的な書類はありません。申請ごとに、許可行政庁から警察当局へ照会が行われます。
補足説明 「成年後見制度」
成年後見制度とは、精神上の障害により事理を弁識する能力を欠く常況にある者、あるいは不十分である者(認知症高齢者・知的障害者・精神障害者のほか、自閉症の人々、事故などによる脳の損傷、または脳の疾患に起因する精神上の障害を持つ人々等も含む)など、自分自身の権利を守ることができない成人の財産管理などを支援する制度です。
現行の成年後見制度は、平成11年12月の民法等の改正により、それまでの禁治産および準禁治産の制度が廃止され、平成12年4月より施行されています。
成年後見制度では、後見等が開始された場合、本人の住所・氏名や後見人等の住所・氏名・権限などについてコンピュータ・システムに登録することになっています。
平成12年3月31日以前は、禁治産者(成年被後見人とみなされる者)又は準禁治産者(被保佐人とみなされる者)は、本人の戸籍への記録されていましたが、平成12年4月1日以降は、戸籍への記録から後見登記等ファイルへの登記に変更されました。
そのため、平成12年3月31日以前の禁治産者(成年被後見人とみなされる者)又は準禁治産者(被保佐人とみなされる者)に該当していないことの証明は、本籍地の市区町村が発行する「身分証明書」によって行い、平成12年4月1日以降の成年後見人・被保佐人等に該当していないことの証明は、法務局が発行する「登記されていないことの証明書」によって行います。
したがって、いずれの時点においても欠格要件に該当していないことを証明するためには、「登記されていないことの証明書」及び「身分証明書」の両方が必要となります。
なお、「破産者」でないことの証明につきましては、従前どおり「身分証明書」によってのみ証明されることになります。
※「身分証明書」は、自動車運転免許証やマイナンバーカードではないことに注意しましょう。
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