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建設業のプロセス

[NotebookLMを使用した音声解説]

 建設業のプロセス(業務の手順)は、概ね次のような流れになります。

  1. 受注までのプロセス
  2. 施工計画・着工準備のプロセス
  3. 施工管理のプロセス
  4. 完成・引渡しのプロセス
  5. 精算・引渡し後のプロセス

 建設業の一般的な業務プロセスを整理しながら、特に中小企業(元請・下請問わず)の経営改善につながるよう注意すべき手順・管理ポイントを分かりやすく解説します。

  1. 受注までのプロセス
     営業活動の段階です。発注者から依頼を受け、企画提案・見積(入札)を経て受注に至ります。最近の民間工事では、SNSによる情報発信で受注につながるケースが増えています。工事請負契約は、口頭ではなく必ず書面で締結しましょう。工事内容、請負代金の額、工期、支払条件などを明確にしトラブルを防止します。建設業法第19条において、建設工事請負契約は書面交付が義務付けられています。
     また、赤字工事にならないよう積算の精度を高めることが重要です。積算ソフトを使用するなど、見積もり段階で漏れがないようにしましょう。過度な値引きにならないよう正当な価格で発注者と交渉することも大切です。
     
  2. 施工計画・着工準備のプロセス
     着工までの計画の段階です。実行予算・工程計画・安全衛生計画等の施工計画書を作成し、下請業者への発注・資材手配を行います。そして、労災保険・道路占用許可等の各種届出・申請、工事現場近隣への影響確認・説明を行います。段取り八分といわれるように、事前準備が実際の工事に大きな影響を及ぼします。5W2H(When/いつ, Where/どこで, Who/誰が, What/何を, Why/なぜ, How many/いくつ, How much/いくら)に基づき、具体的に計画しましょう。
     なお、計画は気候変動の影響及び安全衛生やワークライフバランス等を考慮した労務管理となるよう、余裕を持つことが大切です。
     
  3. 施工管理のプロセス
     工事を実施する段階です。工事現場には、一定の資格・経験を有する技術者を配置し、施工状況の管理・監督をすることが必要です。納期調整のための工程管理、材料費・労務費・経費・外注費を適正価格に維持するための原価管理、工事写真・検査記録による品質管理、KY活動・安全書類による安全衛生管理を行います。工程・原価・品質・安全衛生を適正に管理することで発注者の要求事項を満たすことになります。
     出来形管理・写真管理ソフトの導入などによって、工事施工途中において必要と認められる時期に契約図書及び関係図書に基づき工事全般にわたり確認を行ない、検査時にその結果を品質証明として提出できるようにしなければなりません。
     
  4. 完成・引渡しのプロセス
     建設工事の最終段階です。発注者・監理者立会いのうえ、完成検査、瑕疵確認・是正工事、完成図書・報告書提出、引渡書の締結等を行います。引渡確認書の取り交わし及び完成検査時の写真・資料は、後日のクレーム防止となります。最後まで気を抜かぬよう注意しましょう。
     
  5. 精算・引渡し後のプロセス
     事務手続き・アフターサービスの段階です。請求書を提出し入金を確認します。完成・引渡しは、請負代金の支払いと同時に行われるのが原則ですが、実務上は前後する場合があります。瑕疵担保責任に基づき、一定期間のメンテナンスや保証を行います。

 中小の建設業における経営改善の第一歩は、「契約・原価・安全」の3つの見える化です。契約は書面で残し、原価は数字で把握する。そして安全は記録で守る。以上のことを心掛けましょう。
 なお、一定規模以上の工事には建設業許可が必要です。建設業許可要件とプロセス管理、これらを整備することで、元請・発注者との信頼関係も強化され、経営の安定・入札評価の向上につながります。

※ NotebookLMは不正確な場合があります。

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